計画は、経営管理において重要な一つの要素です。フランスの経営学者で「管理原則の父」と呼ばれたジュール・アンリ・ファヨールは、経営管理について『管理とは、計画し、組織し、指揮し、調整し、統制するプロセスである。』の5要素に分けて定義しています。
本テーマでは、様々な計画の中で特に重要な財務計画と計数計画の役割について述べます。
財務計画とは? 計数計画とは?
財務計画とは、一般に公正妥当と認められた会計原則(企業会計原則)に基づいて作成された損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)と、それらに付随するキャッシュフロー計算書(CF)、資金調達・返済計画、設備投資計画、税金計画等から構成される将来計画です。
計数計画とは、業界に特有な指標を基に作成する計画や販売計画、仕入計画などのようにより掘り下げた内容の将来計画です。
これらの財務計画と計数計画の二つをまとめて数値計画と呼び、数値計画は事業計画を作成する上で重要な要素であります。
財務計画と計数計画の役割
財務計画を作成する目的は、全社的な活動の目標値を定めて会社が進むべき方向の羅針盤にすることや企業活動に伴う資金調達などをする際の対外的な説明ツールとして使用することです。特に対外的な説明ツールは上記赤字のとおり、一般に公正妥当と認められた会計原則(企業会計原則)に基づいて作成された成果物は、共通言語となり様々な利害関係者に対して理解し易く、判断し易いものとなり対外向けの資料として有効です。
計数計画を作成する目的は、社内的に重要な指標を用いるので事業運営における意思決定の判断材料や従業員に具体的な数値目標を示して認識を持たせることができます。一方の財務計画は従業員が理解することが困難な場合もあるため、計数計画を用いることは社内コンセンサスの形成にも有効です。なお、業界特有の指標で構成する計数計画を対外的に説明する際は、理解され難いことから高いプレゼンスキルが必要となります。