【イノベーション】世界文化遺産「富士山」におけるイノベーションの可能性

02.28

外国人観光客による消費額は日本人の3倍

2013 年に訪日外国人旅行者数が年間1,000 万人を超え、山梨県の外国人延べ宿泊者数は、2012年の38万7千人から2013年は49万2千人へと増加しました。県内観光を目的とした宿泊外国人の観光消費額単価(一人あたり)は、2012年は82,656円、2013年は88,630円であり、一方の県外からの宿泊日本人は、2012年は26,009円、2013年は25,091円と外国人の方が3倍以上を消費しています。外国人観光客の増加による経済効果は大きいのです。

外国人観光客の訪日目的は文化や歴史の見聞・体験

外国人観光客の多くは、日本の文化や歴史への興味から訪日しています。日本一高い山と言えば世界でもよく知られている富士山ですが、外国人観光客も一目見たいと思う人は多いでしょう。その富士山が世界文化遺産となり、その文化や歴史を学ぶことを目的に外国人観光客は山梨県へ足を運んだのではないでしょうか。
文化や歴史を学ぶことは、人間の根幹をなすものを知ることであり、そこに住む人間を知ることになります。そこで自然とコミュニケーションが生まれ、視野が広がり、実生活を豊かにしていくのかもしれません。

外国人観光客へのおもてなし

県内へ訪れた外国人観光客に対して富士山の文化や歴史を十分に学べる環境は整っているのでしょうか。外国人観光客の国籍別をみると中国、台湾、タイ、香港、インドネシア、マレーシア、シンガポールといったアジア国が大部分を占めています。それらの観光客に対して中国語、タイ語、インドネシア語、マレーシア語などの言語対応をしている所はまだまだ少ないのが現状です。文化や歴史の学びを目的とした外国人観光客は、表面的な学びではなく、本質的な深い理解を求めています。それには母国語で情報を提供しなければ深い理解には至らないと考えます。反対意見として、ここは日本なのだから日本語を学ぶことで文化を学べるだろうと思う人もいるかもしれません。しかし、長期間滞在するのならともかく観光という限られた時間の中で文化や歴史を学ぶには少し時間が足りません。

富士山におけるイノベーション

外国人観光客による経済市場の拡大は余地が残ります。しかし、多くの外国人観光客に来てもらうにはアイデアが必要です。例えば、口コミネットワークを活用する以下の方法があります。

  • 認知:多言語化対応から潜在的な外国人観光客へ世界文化遺産となった富士山の魅力を伝えて多くの人に訪日してもらうこと
  • 体験:訪日した外国人観光客へ文化や歴史を短期間で学べる魅力的なプログラムを提供すること
  • 共有:魅力を感じた人の情報が集まる仕組みを作り、それらの情報が潜在的な外国人観光客へ共有できるようにすること

認知、体験、共有のサイクルをいかに速く回転させることが重要であり、その仕組みを生み出すことがイノベーションであります。

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