【経営思考】個人の戦略的意思決定の質を上げるには

01.30

スタンフォード大学のロナルド・ハワード教授は、「意思決定には質がある(Decision Quality)」として、企業における意思決定の質を高めるための戦略意思決定手法(SDM)を考案しました。戦略意思決定手法では、以下の6つの要素が意思決定の質を高める、と定義しています。

①明確な代替案の検討
②信頼性の高い評価方法
③情報の質
④効率の良いプロセス
⑤リーダーシップとファシリテーション
⑥明確な価値判断基準

企業規模が経営者の管理スパンの範囲内であれば、誤った意思決定をすることは少ないでしょうが、企業規模が拡大するにつれて、組織としての意思決定の質を高めていく必要があります。

戦略意思決定手法は、組織としての意思決定を高めていく方法論でありますが、本テーマは、会社を経営する個人が単独で意思決定しなければいけない状況において、どのようにして戦略的意思決定の質を上げていくかについて検討・考察していきます。

戦略的意思決定とは?

戦略的意思決定とは、無数にある選択肢の中で事業の長期的な成長や発展をベースとして「何をすべきか」という観点で意思決定をすることです。しかし、実務的には有効な選択肢を考え出すところが難しいものです。

選択肢を増やす選択をすること

選択肢は無数にありますが有効な選択肢は極めて少なく、打つ手が無くなってしまうことがあります。もし、打つ手が無くなってしまった場合、事業運営は非常に危険な状態です。経営資源が少ない創業直後の事業者は取れる選択肢が限られ、慎重に慎重を重ねて選択をしなければすぐに打つ手が無くなってしまいます。そのような状況を回避するには、経営資源を増やす選択肢や次の戦略に繋がる選択肢を実行して有効な選択肢を増やさなければなりません。

複数の期待効果を併せ持つ選択肢を選ぶこと

選択肢を増やすには、複数の期待効果を併せ持つ選択をすることです。効果には実行してすぐに効果が出るものや効果が出るまでに時間が掛かるものがあります。複数の期待効果とは短期的な効果や長期的な効果、また様々な効果を併せ持つことを指します。例えば、製品の応用に関する無料セミナーの開催を目的とした営業をする場合、製品に興味があればその場で製品を説明する機会になり、興味がなくともチラシを渡して他社へチラシを拡散してもらえるかもしれません。期待効果は、チラシ拡散による販促、セミナー開催による説明責任体制をアピールした信用力の向上、更にはセールスの機会を併せ持つなど、1つのアクションにおける期待効果を増やすことで、効率的に選択肢を増やすことができます。

しかし、これらは長期的な戦略的意思決定というよりは、短期的な戦術的意思決定に分類されます。

戦略的意思決定とは、より具体的には競合他社との競争に打ち勝つ意思決定をすることです。

一番最初にスタートして最短ルートを最速で走れば理屈上は1番になる

事業運営において競合他社がつきものですが、競合が多い場合、生き残るために競合に打ち勝たなければなりません。競合より早くスタートして、競合より優位な選択をして、競合より早く動き続ければ競合に打ち勝つことができます。つまり、一番最初にスタートして最短ルートを最速で走れば理屈上は1番になれます。その理屈を実現するには情報がカギとなります。一早く更に最短ルートを選択できる情報を取得することによって一番最初にスタートして最短ルートを走る準備ができます。なお、最速で走ることは、投入する人数やスキルの総和に依存するため、企業力と競争するため個人では太刀打ちできない面があります。

しかしながら、一早く最短ルートの情報を取得するには規模が大きい企業の方が優位であると考えられがちですが、現在インターネットによって情報優位の格差はほとんど無くなっています。個人においても一早く最短ルートを選択するための情報を取得することができるのです。

情報の切り口は人数に依存しない

次に情報を取得できたならば、その情報をどのような切り口で分析・判断するかで最短ルートとなるかが決まります。切り口はアイデアを生むのと同じであり、必死になって考えた末に生まれたり、ひらめいたりするもので人数を投入すれば生まれるものではありません。よって、個人の事業者においても優位な切り口で情報を捉えることは可能であり、一番最初にスタートして最短ルートを選択することができるのです。

また、最速で走ることができなくとも優位な切り口を発見し続け常に最短ルートを選択していけば、大手からの追随を振り切ることもでき、その結果から経営資源を獲得して最速で走る要素を持ち合わせ、大手も参入できない程のシェアへと伸ばすことも可能になります。

多面的な切り口で情報を捉え、直観力でスピーディーに優位な選択肢へ到達すること

個人の戦略的意思決定の質を上げるには、日々の選択において必死になって考え、経験値を積むことで①多面的な切り口で情報を捉えるスキルを身につけ、そして、②直観力(知識の持ち主が熟知している知の領域で持つ推論など論理操作を差し挾まない直接的かつ即時的な認識の形成)を磨き、よりスピーディーに優位な選択肢へと到達するスキルを身につけることです。

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